相続の申告について

相続が発生したら名義変更などの手続だけでなく、相続税の申告も済ませる必要があります。
「相続税はお金持ちだけで一般人には関係ない」と思われるかもしれませんが、今は一般人でも大きく関わることが考えられます。
では相続税の申告には、どう対処すれば良いのでしょうか。

相続税の税額は、相続した評価額を元に弾き出されます。
財産の中でも、預貯金であればそのままの数字になるのでまだ分かりやすいです。
ただ相続財産は預貯金だけでなく、証券や不動産・生前コレクションをしていた骨董品なども含まれます。
骨董品の評価を割り出すには、骨董品を取り扱う専門家に頼むしかありません。
ただ専門家に骨董品の価値を見てもらっても、確実な評価額を割り出すのはかなり難しいです。
なぜなら専門家によって、評価額が大きく変わるからです。

でも骨董品は、まだ良い方です。
相続財産の中で最も難しいとされているのが、不動産の評価額です。
基本的には、亡くなった日の時価がそのままの評価額になります。
しかし不動産の評価額を出すには、様々な特例が設けられています。
これらの特例も考慮して弾き出す必要があるので、専門的な知識がどうしても必要になります。
不動産の場合は相続の後に相続登記の形をとります。
相続登記についてはこちらがわかりやすいです。(相続登記は自分でできる?
成年後見人についてはこちらがわかりやすいです。(成年後見人とは?

これらの財産を全て計算し、弾き出された額を「財産評価」と言います。
財産評価が「基礎控除内」に収まっているのならば、相続税の申告は必要ありません。
基礎控除額は、3,000万円+600万円×法定相続人の数で、求められます。
ただ「うちには3,000万円以上の資産がないから、相続税の心配は必要ない」と、思われるかもしれません。
でも何度でも述べるようですが、相続する財産は不動産・預貯金・証券だけでなく、骨董品や車、家財道具も含まれています。
これら全て合計すると、3,000万円は簡単に超えるでしょう。

財産評価が終われば、いよいよ相続税の計算に移ります。
注意していただきたいのは、相続する財産は被相続人が生前に蓄えていた財産だけではないということです。
死亡保険金や退職金などの「みなし相続財産」も、含まれます。
さらには生前贈与財産も、相続財産の一部です。
みなし相続財産も生前贈与財産も合計したら、次に特例措置が適用できる分を差し引きます。
全ての財産に税金がかかると、のこされた人の生活は苦しくなってしまいます。
そのために特例措置を設けて、生活を保証しようという訳です。

また被相続人が生前に借金を背負っていたのならば、借金の分も財産から引かれます。
ただし場合によっては、のこされた財産よりも借金の方が多い場合もあります。
実は借金も、相続財産に含まれています。
もし借金を相続すると、被相続人の代わりに返済しなければいけません。
あまりにも額が多い場合は、「相続放棄」という手段があります。
相続放棄を実行すると、借金の相続から逃れられます。
ただし、同時に財産の相続権利も失うことになります。
相続放棄を実行する際には、よく考えてから行うようにして下さい。

相続した財産から借金や特例措置分を引いたら、次に基礎控除額を差し引きます。
基礎控除額を引いて割り出した金額に、税金がかかります。
しかし相続税の計算は全て合計した相続財産にかかるのではなく、法定相続分に則って計算されます。
相続税の計算は2段階式に行われるので、かなり難しくなっています。
慌てずゆっくりと、計算するようにして下さい。
相続税でじぶんで計算するならシミュレーションを利用するとよいでしょう。

相続税を割り出せば、税務署に提出する申告書を作成します。
申告書を作成するのは、相続税が発生している人のみです。
相続税が発生していなければ、基本的に申告する必要はありません。
ただし特例により相続税がかからない時は、申告する必要があります。
なお相続税の申告・納税の期限は、10ヶ月以内です。期限までに現金で一括支払いで済ませます。
他の税金であれば、口座引き落としなどで簡単に支払うことが可能です。
でも相続税に限っては、被相続人の住所を管轄している税務署に納めなければならないのです。
もし期限内までに納税できなければ、「延滞税」を支払うことになってしまうので要注意です。

税務署に相続税を申告すれば、取りあえずは相続の手続は完了です。
でもまだ安心はできません。
もし申告した相続税に少しでも不備があれば、税務調査を受けることになってしまいます。
税務調査と聞くと、何年か前に上映された映画を思い出す人も多いでしょう。
映画では強制的に調査するシーンが描かれており、不安に感じるのも無理はありません。
でも税務調査は、ある日突然やって来るものではないので大丈夫です。
予め相続人へ税務署から、何らかの形で連絡が来るはずです。
また税理士の立ち会いも認められているので、心配する必要はありません。

相続の申告はやることが山積みで、何から手を付けて良いのか分からないという方も多いでしょう。
もし少しでも難しいと感じたのならば、税理士に一任するのも手です。
税理士であれば、難しい相続税の申告も簡単に済ませることができます。